8月 022011
 

 昨日に引き続き、まるごと体験学習教員向け下見ツアーの話題です。
 糸魚川シーサイドバレースキー場の近くにある、塩の道交流館「歩荷茶屋(ボッカチャヤ)」で昼食をとった後、国道148号を長野県境に向けて走りました。県境までの間は、スノーシェッドの連続で、日本の道100選にも認定されています。(糸魚川-静岡構造線・塩の道南部ジオサイト)
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「流れる水の働きを調べよう」
 国道148号の長野県境付近では、H7 年の7.11水害で姫川が葛葉峠を削った様子や、国土交通省松本砂防事務所が行っている「葛葉山腹工」を見ることができます。また、H8年12月に発生し、13人の犠牲者を出した「蒲原沢土石流災害」の現場も見学しました。大地を削る川の力や、水と土砂が混じった土石流の破壊力など、自然の大きな力をまざまざと見せつけられました。(姫川渓谷ジオサイト)
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 その後、国道148号に沿って、姫川の様子を確認しながら下りました。中流では、川幅が上流より広くなり、川がゆるやかにカーブするようになります。また、下流の姫川橋付近では、もっと川幅が広くなり、流れがゆるやかになる様子を確認できます。(姫川渓谷ジオサイト)
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「水の働きでできた地層」
 筒石・浜徳合では、300万年前にできた「砂岩泥岩互層」を観察することができます。クジラのろっ骨の化石が見つかったことから、海底に溜まった地層であるとのことで、砂岩と泥岩がきれいな層を形成しています。50万年の間に1,000回もの大地震が起き、1回の大地震で、1枚の砂の地層と1枚の泥の地層ができたとのことです。解説板もあり、地層の見学地には最適です。(筒石・浜徳合ジオサイト)
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「火山の働きでできた地層」
 弁天岩は、100万年前にできた海底火山の噴出物です。山から転がって落ちてきた岩ではありません。海底火山から流れ出た溶岩の破片と火山灰でできています。よく見ると、西側(糸魚川の方向)へ地層が傾いています。ぜひ、弁天岩に渡ってゴツゴツした岩を観察してみてください。また、弁天岩には、航海安全の神様である弁天様が祭られています。(弁天岩ジオサイト)
 今回のツアーは、糸魚川市内の小学校の先生がほとんどだったのですが、初めて訪れる方も多かったようです。これをきっかけに、今後の体験学習にぜひご活用いただければと思います。
 糸魚川市内の学校に限らず、糸魚川ジオパークの学校教育への活用についてのご相談は、糸魚川市ジオパーク推進室までお願いします。
 次回は、8月10日(水)に発展コース(中学校教員向け)を実施します。
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